『ノマドランド』あらすじ・見どころ・ストーリー解説(ネタバレなし)

今回は2021年3月26日公開の『ノマドランド』というアメリカ映画を紹介します!

本作は第93回アカデミー賞で、なんと作品賞、監督賞、主演女優賞の3部門を受賞した大変評価の高い作品です。

それではあらすじから行きましょう!

目次

あらすじ

画像出典:IMDb

ネバダ州の企業城下町エンパイアで暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーにすべてを詰め込んだ彼女は、“現代の遊牧民ノマドとして、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることになるのだった。

概要

ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド 漂流する高齢労働者たち」を原作に、アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービー。

ファーンを演じるのは本作がアカデミー賞主演女優賞において3度目の受賞作となったフランシス・マクドーマンド。監督は『ザ・ライダー』で注目を浴び、本作『ノマドランド』で第93回アカデミー賞の監督賞においてアジア系女性として初受賞を果たしたクロエ・ジャオ。

監督クロエ・ジャオ
脚本クロエ・ジャオ
原作ジェシカ・ブルーダー『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』
出演フランシス・マクドーマンド
デヴィッド・ストラザーン
制作会社サーチライト・ピクチャーズ

という事でさらにストーリーを詳しく見ていきましょう!

ストーリー解説

ノマド生活の始まり

画像出典:IMDb

住み慣れた街と家を失った60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。
彼女は思い出の品や必要最低限必要な荷物をキャンピングカーに詰め、ノマドとして新たな一歩を踏み出します。

それは同時に移動労働者になることでもあり、ファーンはAmazonでの梱包と仕分けの仕事を行います。1日10時間以上立ちっぱなしの仕事を終え、キャンピングカーに戻って寝るという過酷な毎日。

ファーンはこの生活に耐えますが、Amazonでの仕事はクリスマスや感謝祭などの忙しい時期の一時雇いでしかなく、また次の仕事を見つけなければなりません。

「砂漠の集い」

画像出典:IMDb

そんな不安定な生活を送るファーンは、共にAmazonで働き同じくノマド生活を送るリンダ・メイの勧めで、アリゾナの砂漠で行われる「砂漠の集い」というノマドの集会に参加します。

主催者はボブ・ウェルズという老人で、この会ではノマド達の交流を図ると共に、ノマド生活のノウハウや知恵の共有を目的とします。またボブ・ウェルズが語る「物やお金に縛られない自由な生き方」という考えにファーンは大変感銘を受けるのでした。

ノマドのコミュニティの一員となったファーンは、仲間の紹介もありキャンプ場での管理人の仕事やハンバーガーチェーンでのアルバイトなどの職を転々とし、ノマドの生活に順応して行きます。

ノマド生活を送る中で見つけた新たな発見と出会い、ファーンの1年間の奮闘が描かれます。

画像出典:IMDb

ここからは『ノマドランド』の見どころを紹介いたします。

見どころ

雄大な自然

本作はアメリカの雄大な自然が堪能でき、また主役のファーンと共に我々の魂もこの雄大な自然を彷徨う感覚が味わえます。そこには自然や人生への新たな発見や気付きがあり、予告などで謳われている通り「極上の映画体験」ができる中々類を見ない作品です。

また没入度と言う意味でこれ以上、映画館の大きなスクリーンで観る意義を感じた映画もありませんでした。
本作の主役の1人は「雄大な自然」といって過言ではありません

画像出典:IMDb

圧倒的なリアリティ

「自然」という事で言えば出演者達の演技です。
本作はジェシカ・ブルーダーさんの「ノマド 漂流する高齢労働者たち」というノンフィクションを原作にした作品ですが、劇中で登場するボブ・ウェルズさんやリンダ・メイさんは原作に登場する実在のノマド生活者でなんと本人役で本作に出演しております。

実際にノマド生活を送る人々の生の声や、ノマドの暮らしの知恵が刻印された本作は、ある種ドキュメンタリーに近いリアリティがありました。

また本作の主役フランシス・マクドーマンド演じるファーンとデビッド・ストラザーン演じるデビッドは彼らの人生からインスパイアされて創られたキャラクターだけあって実在感があり、実際にノマド生活者に混じっても違和感が一切ありません。

ちなみにボブ・ウェルズさんは撮影の途中までフランシス・マクドーマンドがプロの俳優だと分からずノマド生活者だと思っていたそうです。

画像出典:IMDb

フランシス・マクドーマンドの演技

見どころという意味ではやはりフランシス・マクドーマンドの演技というより、その存在感でしょう。特別な芝居をすることなく、そこに佇むだけで悲哀や喜びを物語ってしまうその演技は、役者になるべくして生まれてきたと言っても過言ではありません。どこか崇高さすら感じてしまう存在感でした。

またフランシス・マクドーマンドは本作の制作もしており、監督のクロエ・ジャオを抜擢したの彼女。本作が特別な一本になった要因は間違いなくフランシス・マクドーマンドの存在です。

画像出典:IMDb

希望に満ちた話

本作はアメリカの移動労働者の現実が描かれた重い話かと思いきや、希望に満ちた話になっています。劇中でボブ・ウェルズが語るように老後や先の不安に囚われるよりも、今に目を向けることの大切さに気づかせてくれます

美しい自然を見たり、仲間と歓談したり、そういった今ある喜びを味わうために人生はあるのだとはっとさせられました。

そういった意味で本作は我々日本人にも、そして若い人にも非常に刺さる、生き方を変えてくれるような作品です。

アカデミー賞作品賞の歴代受賞作は、その時代の社会問題を反映した作品ばかりでしたが、そういった意味において本作が今、作品賞を受賞したのは当然のことのように思います。

人間の根源的な「前に進みたい」という欲求に刺さる傑作でした。
ぜひご覧になってください。

それでは映画で素敵な旅を!セッキーでした。

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