【感想レビュー】『ちはやふる -上の句-』あらすじ、見どころ紹介

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■あらすじ

 小学生の千早、太一、新は、府中白波会に所属しカルタの団体戦でチームを組んでいたが、新たは小学校卒業後、祖父の介護のために福井へ転校し、また太一も別の中学へ行くことになり三人はバラバラになってしまう。

月日は流れ、瑞沢高校に入学した千早はカルタ部をつくろうと奔走するなか、同じく瑞沢高校に入学した太一と再会する。無事カルタ部を創設した千早たちは、仲間たちと共に夏の全国大会出場を目指すのだった。

一方、新にはある決意があった…

■予告

■監督・キャスト

 

監督・脚本 小泉徳宏(こいずみ のりひろ)
 <プロフィール>
生年月日 1980820
出生地:東京都慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社ロボット映画部所属。
高校在学中に映画制作に興味を持ち、大学進学後、自主映画の制作を開始。大学在学中にI’s filmを結成し代表を務める。2006年『タイヨウのうた』でデビュー。

<スタッフ>
撮影 柳田裕男
編集 穂垣順之助

キャスト

広瀬すず 綾瀬千早

<プロフィール>

生年月日 1998年6月19日。出生地:静岡県静岡市清水。フォスタープラス所属。
ミスセブンティーン2012グランプリに選ばれ、同誌専属モデルとして芸能界デビュー。

<役柄>
府中白波会所属。
小学6年生の時に新と出会い、かるたで世界一になる事を夢見る様になる。瑞沢高校へ進学して競技かるた部を創設。

 

野村周平 真島太一(まつげ君)

<プロフィール>
生年月日 1993年11月14日。出生地:兵庫県神戸市。 アミューズ所属。
芸能界デビュー前はスノーボード選手として活動 アミューズ全国オーディション2009グランプリを受賞し芸能界デビュー。
<役柄>
府中白波会所属。
負けず嫌いな性格で、かるたを通じて千早と親しくなった新への対抗意識からかるたを始める。瑞沢かるた部では部長を務める。

 

新田真剣佑 綿谷新(メガネくん)

<プロフィール>
生年月日 1996年11月16日。出生地:アメリカ合衆国 カルフォルニア。トップコート所属。
父は千葉真一、弟は眞栄田郷敦。
高校を卒業するまではハリウッドで暮らし、2014年から日本で活動。
<役柄>
福井南雲会所属。
永世名人を祖父に持ち、自身も小学生時代は全国大会の学年別で毎年優勝してきた実力の持ち主。小学校卒業後は祖父の介護のために福井へ戻り、千早や太一と離れ離れとなる。

 

<その他のキャスト>
・上白石萌音:大江奏(おおえ かなで)
・矢本悠馬・西田優征(肉まんくん)
・森永悠希:駒野勉(机くん)
・松田美由紀:宮内妙子
・國村隼:原田秀雄

■見どころ

かるたと響き合うストーリー

本作はストーリーとカルタの歌の内容がリンクし、歌によって物語が広がる作りになっています。
例えば

「瀬(せ)を早み岩にせかるる滝川(たきがは)のわれても末に逢(あ)はむとぞ思ふ」

出典詞花集 恋上・崇徳院(すとくゐん)

という歌ですが、本来は
「川瀬の流れが速いので、岩にせきとめられる滝川の水が、いったん分かれてもまた一つの流れになるように、今二人が別れても、将来はきっと会おうと思うよ。」

出典:weblioより

という意味の恋人同士の別れの歌ですが、本作に於いては小学校卒業と共に離れ離れになってしまう千早、太一、新がいっとき別れてもまたいつか会えるという、“希望の歌”として紹介されていますし、

「もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし」

出典金葉集:前大僧正行尊

という、山で修行をしている孤独な僧侶が、ひっそりと咲く山桜を友のように思ったという孤独の歌ですが、本作に於いては、どんな苦しい状況でも仲間がついているという“絆の歌”として紹介されています。このように歌と物語がリンクすることによって、物語に奥行きが出て、さらにカルタの歌の理解が深まります。まさにカルタを題材にしている事の必然性をもった作品と言えるでしょう。

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ベタだけど胸熱なスポ根もの

 合宿をしたり、体力をつけるために山登りをしたり、勝つための戦略を練ったり、そういった特訓シーンがとにかく楽しいですし、その部分がしっかり描かれているので、五人の絆をリアルに感じる事ができます。またかるたの勝敗のロジックもしっかりしているので、スポーツ映画として楽しめます。

そしてこの競技カルタを、画的に説得力を持たせ描く事ができたのは役者陣の並々ならぬ努力よってです。
監督はインタビューで

札の扱い方というか所作や仕草に、練習しているかどうかが出てしまうんですよね。取った札を相手に送る何気ない動作だったり、実際に競技かるたをやっている人ですら気づかない無意識にしている動きがあるんですよね、手元にある札はきっちり絶対に綺麗にそろっているとか。ルール化されているわけではないんですけど、長年かるたをやられている人なら絶対しない動きや所作があるので、そこは気を付けていました。

引用元:japanesefilmfest

と語っていますが、そういった競技選手としての実在感を出すために、合同合宿を行ったことはもちろん、主演の広瀬すずはドラマの撮影があったのにもかかわらず“移動式畳”を持ち運び猛特訓をしたとのこと。クランクインする頃には膝や腕に水ぶくれやアザが出来ていたそうです。
新真剣佑に関してはリアルな福井弁とカルタのトレーニングの為に、現地でアルバイトをし、福井で名の知れたカルタ協会「渚会」に通ったそうです。

この役者たちの努力によって迫真のシーンが作り上げられました。

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■感想・評価

 本作は競技カルタの世界やチームとしての“絆”が描かれておりますが、太一と机くんという“持たざる者たち”の苦悩と葛藤が描かれている点も良いなと思いました。

太一と机くんは、ちはやや新とは違いカルタの才能がありません。また「何かをやりたい」という情熱もなく、いわゆる“持たざる者”なんですね。太一にいたってはニヒリズムを抱えてさえいますが、そんな彼らがカルタを通して何かを見つけ、成長して行く姿がよかったです。青春映画とはこう言った影の部分をちゃんと描くことで光り輝くんですよね。

本作は青春スポーツ映画として突出した傑作ではないでしょうか。

あと個人的には、原田先生が言う「青春全部かけても勝てないって?かけてから言いなさい。運だの神だの言えるのは全部かけた人間の言える特権だ」というセリフが特に刺さりました。このセリフを聞くたびにいつも背筋が伸びます。

僕はすでに30代で彼らとは大分年が離れていますが、全部かけている限り青春は終わらないんですよね。続編にあたる『下の句』『結び』いずれも高水準の作品で、本シリーズは見るたびに勇気をもらえる、大切な作品になりました。

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■裏話・トリビア

  • 水沢カルタ部を演じた広瀬すず、野村周平、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希はいずれもAB型。これは狙ったわけではなく偶然。
  • 机くんを押しながら山登りするシーンはアドリブ。ふざけ過ぎて監督に怒られるか心配した程楽しかったらしい。
  • 真剣佑は、本作の実写映画版で新を演じたことを契機に芸名を「新田真剣佑」に改めた。
  • 新田真剣佑はオーディションで一度落とされた。
    本人から「もう1回だけ見てほしい」と連絡があり2度目のオーディションで合格。いろいろな人を訪ねて演技指導をしてもらったとのこと。

 

■その他のレビュー

 

 

■こんな人におすすめ

・映画を見て熱くなったり、勇気が欲しい人

・青春映画に癒されたい人

・努力したいことがあるが、やる気がなかなか起きない人

 

■背景・作品概要

コミックス累計発行部数2100万部突破する末次由紀による大人気コミック「ちはやふる」を、実写映画化した3部作の1作目。

主人公・千早を演じる広瀬のほか、野村周平、真剣佑らフレッシュな若手俳優が共演。監督を「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の小泉徳宏が務めた。

本作「上の句」は2部作として制作され『ちはやふる -上の句-』が2016年3月19日、『ちはやふる -下の句-』が同年4月29日に公開。
その後完結編として2018年3月17日に『ちはやふる -結び-』が公開された。

<主題歌>
Perfumeの「FLASH」。
Perfumeは熱狂的なちはやファンだと公言している。

<興行収入>
16億3000万円。
2016年の映画興行ランキング34位
  出典:PRiVATE LiFE

<受賞>
■第8回TAMA映画賞(2016年)
最優新進監督賞:小泉徳宏
最優秀新進女優賞:松岡茉優

■第40回日本アカデミー賞
優秀主演女優賞:広瀬すず
新人俳優賞:真剣佑

<配信>
U-NEXT
Hulu
dTV
で配信中。
※2020/03/25時点

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