【元映写技師が厳選!】おすすめ韓国映画5作品

92回アカデミー賞において『パラサイト半地下の家族』が作品賞を受賞した事で、
今韓国映画に注目が集まっていますが、
どの作品から見れば良いかわからない
他にもおすすめの作品を知りたい
と思っている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなあなたのために、韓国映画をはまるきっかけになるような、
おすすめの韓国映画を自分の体験談も交えながら5作品紹介していきます

最後に僕の現時点での韓国映画ベスト10も発表するので
よければそちらも参考にしてください!

 

目次

おすすめ①『シークレット・サンシャイン』

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200867 日本公開)

 2000年代初めから『シュリ』や『JSA』の世界的ヒット、日本国内においては『猟奇的な彼女』や『頭の中の消しゴム』などがヒットし韓流ブームと共に「韓国映画」が注目されるようになりましたが、その当時の僕はなんとなく韓国映画と聞くと「どうせベタベタなお涙頂戴の話でしょ?」と斜に構えて見ていたところがあったのですが、そんな中、本作を見て衝撃を受けました

本編冒頭、密陽という街に引っ越して来た子持ちの女性と、そこに暮らす少し間の抜けた中年男とのちょっとユーモラスなヒューマンドラマなのかと思って見ていたのですが、中盤から子供が失踪し、そこから何もかも失う女の絶望と、かすかな救いの話になっていくというシリアスな展開に、正直、韓国映画を舐めていた分驚きました。

また「宗教は人間を赦し、また救うことができるのか?」という文学的かつ哲学的なテーマを扱っている点も凄くて、ここまで世界水準の普遍性と芸術性を持った映画が、韓国に存在していたのかと強い衝撃を受けました。

そこからイ・チャンドン監督の過去作をDVDで見たのですが『グリーンフィッシュ』や『ペパーミント・キャンディー』など、どの作品も凄まじいのですが、特に、脳性麻痺で体が不自由な女性とチック症で社会不適合者の男の恋愛を描いた『オアシス』という作品が本当にもの凄い傑作で、僕が今まで映画を見てきた中で5本の指には絶対に入る、とても美しい作品でした。そんなわけで僕が韓国映画に注目するようになったきっかけは、この『シークレット・サンシャイン』という作品でした。

おすすめ②『チェイサー』


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200951日 日本公開)

 映画ファンの間ではパク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』などの復讐三部作、キム・ギドク監督の一連の作品などで韓国といえば「暴力映画が凄い」というイメージが定着していましたが、本作はその決定版のような映画でした。

本作は狂気のシリアルキラーをたった一人で追う元刑事の追走劇なのですが、そのスピーディでサスペンスフルなストーリーテリングと衝撃の展開に度肝を抜かれました。またそれでいて妖艶なノワールというところも憎い。見ている間、ドキドキ、ハラハラ、アドレナリン全開で、劇場でこんなに興奮するような映画体験もないのではないかというほど、監督のナ・ホンジンの才能に打ちのめされました

正直「韓国の暴力映画」はキワモノとして見ていた部分があったのですが、本作は『グットフェローズ』や『アポカリプト』などのアメリカ映画と比べても見劣りがしない、むしろ世界を牽引するような力を持った作品だと思いました。

なんとこれがナ・ホンジン監督のデビュー作というのだから驚きです。その後も彼は『哀しき獣』『コクソン』で、世界に衝撃を与える作品を連発。

 

おすすめ③『母なる証明』


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20091031 日本公開)

韓国では映画製作や映画学校などへの公的資金援助を、国内市場が小さいという理由から国策として行ってきましたが、その最大の功績が先日の第92回アカデミー賞で作品賞を受賞した事と、もう一つがポン・ジュノという稀代の天才を生み出した事。

本作は女子高生殺人事件の容疑者となってしまった息子の無実を証明するために奔走する母親の姿を描いたサスペンスなのですが、あまりの余韻に「こんな映画見た事ない」という衝撃を受けました。

コメディなのかミステリーなのか、あるいはヒューマンドラマなのか、その全てが渾然一体となって投げかけてくる“超現実”。鳥肌さえ立つのを忘れるほど我を失いました。

あと、後出しジャンケンのようで嫌ですが、すでにこの時点でポン・ジュノは完成された映画監督だったと言っておきたいです。スピルバーグやヒッチコック級のサスペンスの手腕、マーティン・スコセッシ級のスピード感とストーリーテリングの手際の良さ、デヴィッド・リンチ級の歪さと作家性、コーエン兄弟級の諧謔性とブラックユーモアに加え、さらに社会批評性や前衛性も兼ね備えた完全無欠の作家だといって間違いないでしょう。

僕はこの作品でポン・ジュノを知り、ここから世界的名声を手に入れるまでをリアルタイムで追えた事を嬉しく思います。

 

おすすめ④『息もできない』


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2010320日 日本公開)

 次はこれまで紹介してきた作品と打って変わって、インディペンデント映画。なんと本作で制作・監督・脚本・編集・主演を務めるヤン・イクチュンが自分の家を売り払ったお金を制作費にあてて作った作品です。それだけ熱いものが詰まっており、当時映画好きの中でとても話題になりましたね。僕は今は亡き渋谷のシネマライズで鑑賞しました。

話は、取り立てを生業とするチンピラと家庭環境に問題のある少女がひょんなことで出会い、交流を重ねていくごとに次第に二人は癒されあっていくという小さな話なのですが、絶望と再生が描かれており、見終わった後にずっしりと重いものが残る作品でした。

粗暴なチンピラを主人公としているので、暴力シーンが多かったり汚い言葉が飛び交ったりしますが、微笑ましく心温まるシーンが満載で、普通に楽しく見れます。あと家族についてとても考えさせられる内容でした。

韓国のインディペンデント映画のレベルの高さにも驚かされます。

監督のヤン・イクチュンはその後、俳優としての活動が目立ち、

『かぞくのくに』(2012年、梁英姫監督)
『夢売るふたり』(2012年、西川美和監督)
『中学生円山』(2013年、宮藤官九郎監督)
『あゝ、荒野 』(2017年10月7日前篇、同年10月21日後篇公開、岸善幸監督)

などの日本映画に多く出演。もともと俳優ということもありますが、個人的には監督としての次の作品も見てみたいです。

 

おすすめ⑤『アジョシ』


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2011917日 日本公開)

とにかくウォン・ビンの美貌と超絶アクションが堪能できる作品特に『ザ・レイド』で世界のアクション映画に衝撃を与えたフィリピンの武術“シラット”を取り入れた戦闘シーンが見事。話は、質屋としてひっそりと身を隠す元特殊要員の男が、麻薬組織に誘拐された少女を救うという、そこまで珍しくないものなのですが、無駄のないストーリーテリングと絶品のアクションシークエンスで、この手の映画の最高レベルの傑作ではないでしょうか。また世界中の女子が悶絶してしまうようなウォン・ビンの美しい瞳を見るだけでも観る価値のある作品ですね。

2018年には『悪女/AKUJO』(ジョン・ビョンギル監督)という、これまた世界に衝撃を与えた韓国アクション映画の傑作が生まれていますが、本作を抜きにしてこの映画は生まれなかったことでしょう。

またアメリカで大ヒットを続けているキアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』(2014年~)シリーズにも本作の影響が随所に見られ、『ジョン・ウィック』で脚本を手がけたデレク・コルスタッドは『アジョシ』のハリウッド版リメイクを執筆するそうです。

当時、本作を見た僕は、韓国映画はアクションにおいても世界の潮流に乗ってしまったのかと大変ショックを受けました。日本映画、大丈夫かよ

 

【まとめ】


この5作品以外にも戦争映画を撮れば「高知戦」、コメディーでは「サニー永遠の仲間たち」や「怪しい彼女 」、ヤクザ映画を撮らせれば「新しい世界」、「アシュラ」、近代韓国史を扱った映画では「タクシー運転手」「1987、ある闘いの真実」、さらに社会問題を扱えば「トガニ」、ゾンビ映画を撮らせれば「新感染」などまだまだ傑作はありますが、とりあえず紹介するのは上記5作品にとどめておきます。

しかし振り返ってみて、わずか10年で韓国映画はアメリカ映画やヨーロッパ映画に匹敵する奥行きと厚みを手にしたのですから、本当に驚きですね。これからは歴史を積み重ねて行くだけでしょう。

 

なので今回のアカデミー賞、作品賞受賞で勘違いしてはいけないのがポン・ジュノだけが韓国映画界の中で突出して優れているというわけではなく、韓国映画全体のレベルが世界的規模で突出しているということ。これは国策として映画製作に力を入れてきた韓国映画界の勝利なんですね。

とても見習うべきロールモデルだと思いました。

 

最後に現時点での僕の韓国映画ベスト10を発表して終えたいと思います。
こちらも作品選びの参考にしていただけたら幸いです。

 

【元映画技師による韓国映画ベスト10】

①位:『パラサイト 半地下の家族』
       >>あらすじと感想はこちら
②位:『オアシス』
③位:『バーニング』
④位:『母なる証明』
⑤位:『チェイサー』
⑥位:『タクシー運転手』
⑦位:『トガニ 幼き瞳の告発』
⑧位:『メビウス』
⑨位:『悪魔を見た』
⑩位:『アジョシ』

 

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

画像出典:IMDb

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