【あらすじ・感想・評価】『EXIT』持てるスキルで現状打破!


日本公開:20191122

 

<スタッフ>

監督・脚本:イ・サングン

<キャスト>

ヨンナム: チョ・ジョンソク
ウィジュ:ユナ

<はじめに>

みなさんいかがお過ごしですか?
緊急事態宣言も解除され気も緩みがちですが、まだまだ予断を許さない状況に変わりはありませんね。でも正直、暑い日が多くなってきたのでマスクが苦しい…

そんな弱音を吐いていたら、今回紹介する映画の主人公達に笑われますね。
今回紹介する映画は『EXIT』という、毒ガスから逃げる人々を描いたパニック映画なんですが、シリアスな反面、コメディでもあるという不思議なバランスの映画でしたね。あととってもキュートなラブストーリーでもありました。

それではあらすじや見どころを感想を交え語って行きます。

 

<あらすじ・感想・評価>

【鉄棒でトレーニングする無職の青年】

本作の主人公ヨンナムは、健康体で真面目そうな好青年。冒頭、彼が昼間に公園の鉄棒でトレーニングをしているシーンから始まります。腕や体幹を鍛えたり、このシーンだけで彼が並外れた身体能力の持ち主だということがわかります。というのも彼は大学時代に山岳部に所属しており、ロッククライミングのエリートだったんですね。

この鉄棒でのトレーニングですが、やっていることは物凄いんですが、風景があまりに日常的過ぎるので、彼が周りからめちゃくちゃ浮いてて笑えます。彼を見るおばちゃん達のポカンとしたリアクションが最高ですね。

それで、なんで昼間から公園でトレーニングをしているかというと無職だからなんですね。就活はしていますが落ち続けています。トレーニングの最中、公園で甥っ子に会うんですが、甥っ子から向けられる軽蔑の眼差しがなんとも切ない。(同時にすごく可笑しいですが。)

ヨンナムは実家で父親と母親と3人で暮らしていますが、なんとなく居心地が悪そうです。進んで家事をしたり、家族に気を使ってばかり。たまに姉が実家に帰ってきたら、姉に叱られたりで、もう居場所がない感じです。大学時代はその才能を存分に発揮し、周りからも尊敬されていたヨンナムですが、今では見る影もありません。

【母親の古希祝い】

そんなヨンナムの一家は70歳になる母親の古希祝いをすることになります。ホールを貸し切って家族総出で祝うんですね。この古希祝いというのは、日本ではあまり馴染みはありませんが、なんでも、中国の唐時代の詩人、杜甫が詠んだ「人生七十古来稀なり」という詩の一節からくる70歳の長寿祝いだそうです。

あと面白いなと思ったのが、歌って踊っての大盛り上がりの式ですが、そんな中、若者達が母親をおんぶするんですね。これには「あとは若い世代が支えて行きます」という意味が込められており、両親をとても敬う韓国独特の文化ですね。見ていて素敵だなと思いました。

【後輩ウィジュとの再会】

話が逸れましたが、この式場でヨンナムは大学時代の後輩で絶世の美女のウィジュと再会します。このウィジュは式場で副店長として働いており、大学時代は山岳部でヨンナムと一緒でした。

久々の再会ににやけるヨンナムですが、実はこの式場を予約したのは彼で、ウィジュとの再会目当てでこの式場を選んでいたんですね。

「あれ、先輩の家ここから車で1時間かかりません?」
とウィジュに突っ込まれますが、
「評判が良かったからここにしたんだよ」
と動揺するヨンナム。

さらに
「先輩気まずくないんですか?」
と訊かれ、追い討ちをかけられるヨンナム。

実はヨンナムは大学時代に告白してウィジュに振られているんですね。
どうにか取り繕いますが、明らかに動揺するヨンナムが面白いですね。

【毒ガスにより大パニックになる街】

宴もたけなわ、一家は帰りかけると、外がなんだか騒がしい。なんと街に毒ガスが蔓延し、外は大パニックになっていたんですね。運悪く、毒ガスを吸ってしまう人々の描写が恐ろしいですね。呼吸困難になり苦しみながら息絶えます。この毒ガスというのがなかなか消えることがどんどん拡がっていくものだからたちが悪い。

 

ヨンナム一家は式場の外に出られませんが、そうこうしている内に、式場の中にも毒ガスが侵入し、どんどん上昇してきます。「屋上に逃げろ!」ということになり、階段で屋上まで行こうとするんですが、屋上へ出るために鍵が見つからない。慌てふためく一同。外からなら屋上の扉を開けられますが、中からでは鍵が必要です。

 

【ヨンナムの利他的行動】

そうすると、ヨンナムが何かを考えているんですね。意を決した彼は窓を割り外のビルに飛び移ります。ロッククライミングの技術を用いて壁伝いに屋上に行こうという作戦です。
父親、母親、親戚一同は絶叫します。
「やめろー、危険だ!」

それでもヨンナムの意思は変わりません。
普段なんの役に立つかもわからないまま、人しれず鍛錬を重ねてきた事がここで役に立つんですね。

そんなヨンナムの目的を察知した、ウィジュはチョークを布袋に詰めてヨンナムに投げ渡します。「このチョークを滑り止めの代わりにして」ということですね。

覚悟を決め、屋上を目指して、壁を登り始めるヨンナム。ここは本当に手に汗握る緊迫したシーンでしたね。一つのミスが命取りとなります。

本作でヨンナムを演じるチョ・ジュンソクとウィジュを演じるユナは撮影に入るまえに、実際にロッククライミングの訓練を受け、ワイヤーアクションの稽古に励み、撮影に望んだとのことです。それによってアクションがよりリアルになり、緊張感が高まっていますね。

【救助のヘリコプター】

どうにか屋上に辿り着きドアを開け、家族一同ヨンナムによって救われることになるのですが、父親と母親からは「でしゃばった事をするな!二度とするなよ!」と叱責されます。ここのシーンで両親の押さえつけるような教育がヨンナムを引っ込み思案の性格にさせたのだとわかりますね。

依然として毒ガスの猛威が街を襲う状況ですが、屋上にいた彼らをヘリコプターが見つけだし、彼らは無事に救助されますが、ヘリコプターの定員をオーバーしてしまい、ヨンナムとウィジュだけが取り残され、ヘリコプターは行ってしまうのですね。

 

ここから、この2人が一晩中毒ガスから逃げる様が描かれます。
果たして、彼らは助かるのか!?また恋の行方は…

 

<まとめ>

【本作のメッセージとは?】

本作を見ていて、自分がこういう状況に巻き込まれた時に「自分ならどうするか?」と何度も自問させられましたね。そしてヨンナムの利他的行為にはとて胸を打たれました。

ヨンナムのような特殊なスキルを持っている人はなかなかいないと思いますが、こう行った有事の際に「自分のできる事をできる限りやる」ことが大事で、それが出来れば誰でもヒーローになれるのではないでしょうか。本作のメッセージはそこにあるように思います。

また持てるスキルで常に現状を切り拓いていくことが大事ですね。

【恋愛映画としての魅力】

あと本作は恋愛映画としてもとても優れた作品だと思いました。
ヨンナムはウィジュに対しても利他的行動を取り続け、その行動は「2人が助かるにはどうすれば良いか」というよりは「ウィジュが助かるにはどう動いたら良いか」という考えで常に動いています。そんな彼の思いやりにウィジュも心を許し、二人は絆を深めていくんですね。やがて二人は互いに助け合いながら、前に進んで行きます。

なんだか見ていて理想の夫婦のようにも思えました。
状況は違えど、普段生活していてもトラブルや危機は必ずあるわけですから、こういう風に助け合うのが理想だなと思わせてくれます。相手のために頑張るから自分の持てる最大の力が発揮できるんですよね。

本作は非常にウェルメイドな娯楽作で、最初から最後までとても楽しめました。
これが韓国で動員数940万人の大ヒットになったのも頷けますね。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

コロナの第二波が来ると言われ、依然閉塞感が続く昨今ですが、本作の主人公たちのように、「出口」を目指し一緒にがんばりましょう!

画像出典:IMDb

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